連載企画「社会に出てから大切なことは全てラクロスから学んだ」~ 庄子寛之さん編 ~

昨夏、コロナに立ち向かう勇気を与える企画としてLACROSSE PLUS上に掲載されたSELL代表・柴田陽子の連載コラム、「社会に出てから大切なことは全てラクロスから学んだ」 。

そのスピンオフ企画として、ラクロスプラスキャリアにて様々なラクロス関係者がこのコラムを書き続けることになりました。

 

第2回を担当するのは庄子寛之さん。

庄子さんといえば、東京学芸大学女子ラクロス部をヘッドコーチとして4部から1部まで押しあげた立役者であり、またU21女子日本代表、U19女子日本代表のヘッドコーチを歴任されるなど、ラクロス界でも有名人ですが、実はラクロス界以上に教育界で名を馳せている方です。本業は小学校の教諭で、コロナ禍の中で教育変革に立ち上がった存在として毎日新聞の夕刊の1面やテレビでもその活躍が取り上げられたのは皆さんの記憶にも残っているのではないでしょうか。最近では新著書『教師のためのライフハック大全』を出版されたり、Udemy for Business でオンライン講座を公開されていたりと、その活躍の幅をさらに広げていらっしゃいます。

教師の働き方についても多方面でお話をされている庄子さん

いま教育界において最も話題な人の一人である庄子さんにラクロス、仕事、家庭を軸に、「ラクロスから学んだこと」を取材させていただきました。

 


 

・自己紹介

 

東京育ち。
小中高と野球ばかりの生活。
中学校ではオール西東京に入るものの、高校では、ギリギリレギュラー程度。周りに頭がよすぎる人たちに囲まれて自己嫌悪の高校3年間。先輩に怒られないことと、アルマゲドンが来てほしいと願う日々でした。笑

大学では、遊ぶんだ!と思っていた中、野球部に勧誘され悩みました。
そんな中、生協前で勧誘していた未知のスポーツラクロスに興味をもちました。
練習週1だから!という読んでくださっている皆様には申し訳ない理由で、ラクロス部に入りました。(スキューバダイビングサークルと草野球サークルを兼部するというチャラさ笑)

その後社会人チームバレンティアに入り、その後母校のコーチなどを15年ほど。その間に関東ユースや21歳以下日本代表、19歳以下日本代表のHCも経験させてもらいました。

今は小学校教師をして17年目となります。ずーっと担任しています。今や教え子がどれだけラクロス部に入って活躍してくれたのでしょうか。今度教え子たちとラクロスチームでも作ってサムライカップにでもでたいなと本気で思っています。

母校でもある東京学芸大学の女子ラクロス部を15年に渡り指導

 

・ラクロス歴

 

ラクロス部に入ってみると、なんと先輩は2人しかおらず、1年生も3人の計5人!それでも、先輩2人は前女子日本代表HCで明治HCの井川さんに、審判部次長の金子さんですからそりゃすごい環境だったわけです。
しかし、2人は当時4年生。教員採用試験の勉強もあり、ろくに教えてもらった記憶はありません笑
グランドの隅でキャッチボールをすることと、EMUという社会人クラブチームで週末練習や試合をさせてもらう日々でした。

チャラい生活に終止符を告げたのは、意外と早くて8月のフレッシュマンキャンプ。早稲田や立教、東大のメンバーと一緒にやって、自分よりうまい選手とやらせてもらえたことが、ラクロスにどっぷり浸かるきっかけになりました。
いくつかの賞もいただき、ラクロスをもっとやりたいと燃えている時期でした。

でも試合に出られない環境と、練習できない環境は続き・・・関東ユースにもなれなかったことが決め手で、当時何連続も日本一だったバレンティアに入ることにしました。。まだ、大学2年生の時の話です。

大学チームを辞め行くことは、仲間からいろいろ言われましたが、当時はチームのことなんか考えず、自分がうまくなるために行くといった、とてもわがままな決断でした。

平日は早稲田や慶応の練習に混ぜていただき、休日はバレでラクロスをするラクロス漬けの毎日。そんな中、自分の大学の女子ラクロス部から「教えてほしい」と言われたのが、私が女子ラクロス部のコーチをやるきっかけです。それから15年ほどコーチを続けました。4部から1部まで昇格していった過程は、今でも自分の財産になっています。

 

 

大学一年生の夏合宿にて。学芸大・電通大・社会人チームEMUのメンバー


・ラクロスから学んだスキルTOP3を教えてください。

 

3位:なんでも楽しむ精神

15年前の社会人は、24時間働くことが美徳とされた時代。バレの皆さんも例外ではありません。ほとんど寝ずに練習に来ている人もいました。
それなのに、とにかく楽しそうなんです。
若手、ベテランとか関係なく、とにかく練習に一番乗りで参加しようとしていました。
夜の飲み会も豪快でした。楽しかったなーって覚えています。

優れた選手や指導者の人たちは、良い意味で変わっています。
全力で喜び、全力で怒り、すぐ仲直りする。
大変なことも、楽しいことも楽しむ力。今の教師の仕事にも活かすことのできている学びだと思います。

 

2位:世界から日本を見る俯瞰力

旅行ではなく、コーチとしていろいろな国に行き、いろいろな人と話すことができました。英語は話せないけれど。笑
日本人ってそう思われているんだって経験や、日本って恵まれているなってことも何回も感じました。
ご飯のおいしい安心安全な日本が好きです。
しかし、このままだとまずいと思えたのも事実です。
こんなによい国なのに、みんなが日本をよいと思っていない。

世界の国々は、世界大会で負けても次の日には笑っていました。(もちろん状況によるだろうけれど)
教育も転換期。常識に縛られない取り組みができるのは、ラクロスで様々な国に行かせてもらったおかげです。旅行ではわからない日本の課題について感じることができました。

2019年のu19世界大会は参加国からラクロス以外でも様々な学びを得る機会に

 

1位:コピーキャット

直訳すると「模倣者」みたいなことになるんでしょうか。世の中ではあまりよい意味で使われませんが、バレの中ではよい意味で使われていました。
私は開塾塾生1号で、当時開さんの車に乗せてもらって練習に行っていました。今考えればなんて幸せものだなと思っています。その開さんが生み出した技を、すぐ島袋さんがコピーして試合で活躍するのです。
「いいなー。自分もあんな風にコピーしたい」ってその時は思っていました。
結局ラクロスのプレーではできませんでしたが、話し方はコピーできる素質があることに気付きました。
おもしろい話をする人の講演会はすぐ行って、声の高低、声量から間、身振り手振り、視線とすべて真似するよう努力しました。これはすぐ学級経営にも応用できたのです。この力を教わらなかったら、今の自分はないなと思っています。

庄子 ラクロス

毎年担任を持ち、学校の教室でも多くの子供の人生に影響を与えている

 


 

・教員ですごく多忙な中でもなぜ社会人なってからもラクロスに携わろうと思ったのでしょうか?

 

うーんと。特に理由はないです。
ラクロスが好きだったからですかね。
社会人3年目くらいまでは、男子と女子の両方のHCしていましたからね。笑 結婚式の翌日から山中湖に2週間、その後休まず新婚旅行で、疲れて高熱出したのは、未だに笑い話です。
ラクロス部の大学生ってそもそもスーパーハードじゃないですか。社会人の方はハードじゃないと思いますよ。少なくともブラックと言われる教員でもそう思います。

 


 

・長年ラクロスに携わり続けていたと思いますが、仕事とコーチと子育てのバランスはどうとっていたのですか?

 

バランスとれていたのかな?
家族には感謝です。
結婚前にこういうやつだってしっかり伝えることが大事ですよ。はい。
大学生からお付き合いしていますが、その頃からすべてラクロス中心で生活していたんで。
子どもたちは2人いて、上の子は12歳になりますが、ラクロス部のマネージャーが育てたと言っても過言ではないくらいお世話してもらいました。土日子供をラクロス会場に連れて行くことは、妻の一人の時間をつくることにつながるので大事かも。そう思っているか分かりませんが。笑

 


 

・結果を出してきたチームをたくさん指導してきたと思いますが、そういったチームとそうでないチームの差はなんですか?

 

選手がやらされているか、やっているかの違いですかね。
練習って、とにかくやればうまくなる訳じゃないなんて誰もが知っているのに、「伝統」という名ですーっと同じ練習メニューしているチームがあります。
HCの様子をとにかく伺っているチームとか。
HCはとにかくやらせているのではなくやる環境を作ることだと思います。時にはピエロにもなるし、悪役にもなる。コーチの承認欲求を捨てるだけでもよいチームが作れると思いますけれどね。

 


 

・最後に、今振り返って、ラクロスやっていてよかったと思うことを教えてください。

 

ラクロスをやっていない人生なんて想像もできないので、よかったことしかないです。
とにかくすてきな人に恵まれました。本当の良さが分かるのは、大学4年間が終わった後の方があると思います。ラクロスが上手い下手ではないつながりが、一生あります。この出会いを大切に、これからも生きていきたいと思っています。

今を大切に。
できないことではなく、できていることに目を向けて。
自分がやりたいように生きる。
ラクロスは楽しい。以上!

 

 

 

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